ベーリング海Station AB及び北太平洋Station SAにおける珪藻沈降群集フラックス1990-1998
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概要
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珪藻沈降群集フラックスと海洋環境変動との対応関係を探るために,Station AB(ベーリング海)とStation SA(北太平洋北部中央亜寒帯)において,1990年8月から1999年1月上旬までに得られたセディメントトラップ試料を分析した。全珪藻フラックス変動の極大は,多くの年は両Stationともに春と秋のどちらか年一回か,春と秋の年2回観察された。しかし,年によっては特異なフラックス変動が観測され,そのタイミングはStations ABとSAで異なっていた。これらの経年変動は,おそらく冬季鉛直混合と,それに引き続く夏季成層構造の発達度合いとタイミングの違いが影響していると思われる。珪藻沈降群集の優占種はNeodenticula seminaeで,8年間を通した平均優占率はABで80%,SAで82%に達した。8年間を通して,珪藻沈降群集組成に若干の変化が両Stationで見られたが,これらの変動傾向が長期的な海洋環境変動と関係しているかどうかについては,9年目以降の試料分析を通して考察する必要がある。
- 日本海洋学会の論文
- 2009-09-05
著者
-
高橋 孝三
九州大学大学院理学研究院地球惑星科学部門
-
高橋 孝三
九大・院・理
-
小野寺 丈尚太郎
高知大学海洋コア総合研究センター
-
大西 広二
北海道大学大学院水産科学研究院海洋生物資源科学部門
-
簗田 満
北海道大学大学院水産科学研究院海洋生物資源科学部門
-
高橋 孝三
九州大学大学院理学研究院
-
簗田 満
北海道大学大学院水産科学研究科
-
大西 広二
北海道大学大学院水産科学研究院
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