アラスカンストリームと亜寒帯海流域における断面構造の時空間変動
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
北太平洋中央部の亜寒帯海域において,北海道大学のおしょろ丸によるCTD観測が毎年6月の下旬に行われている。1990〜1998年の9年間,180°の経度線に沿って,48°N〜51.2°Nの間に9観測点が設けられた。このデータセットを用いて,水温,塩分,密度,地衡流速(3,000m基準)についての平均断面図や標準偏差断面図などを作成した。さらにEOF解析を用いて断面構造における空間分布と時間変動の解析を行った。流速断面のEOF第1モード(寄与率37.6%)は,西向きのアラスカンストリームと東向きの亜寒帯海流の強弱を表わす空間分布を示した。このモードの振幅関数では,1991年と1997年に正の極大値を持ち,亜寒帯海流の東向き輸送量の変動とよい一致を示した。また,この変動は,Ridge Domainにおける深層水の湧昇の度合いが強く関与していることが示された。
- 日本海洋学会の論文
- 2002-03-05
著者
関連論文
- ベーリング海Station AB及び北太平洋Station SAにおける珪藻沈降群集フラックス1990-1998
- 1994〜2002年夏季におけるアラスカ湾の水温極小
- 北太平洋亜寒帯海域におけるArgoデータの利用 (総特集 Argoの現状と未来)
- 北太平洋西部亜寒帯境界域の平均海洋構造と変動
- アラスカンストリームと亜寒帯海流域における断面構造の時空間変動
- 北海道噴火湾におけるブロモホルム分布の季節変動