ワークライフ・バランスに関する考察
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概要
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ワークライフ・バランス(以下,WLB)の実現は,政府が「国民運動」の一環として展開させるまでになった.そこで,個々人のWLBの現状とその満足度関係について,企業に働く男女に焦点をあて,筆者の独自調査から,(1)WLBの実態,(2)WLBの実態に対する満足度,(3)「(1)」と「(2)」との関係からみた男女従業員が望むWLBの取れた働き方,(4)「(1)」から「(3)」における年齢階級による特徴,を明らかにすることを試みた.WLBに関するアンケート調査(従業員)を実施し,男性271人,女性268人から回答を得たが,20歳以上49歳までを分析対象とした(男性169人,女性189人).WLB実態とWLB満足度の関係を明らかにするために,WLB実態/WLB満足度分析を実施した.分析結果をWLB尺度図,WLB尺度傾向(表)とで示した.WLBの実態は,男性従業員は仕事の領域における生活が中心の者が多いということが,女性従業員は仕事の領域と仕事以外の領域との生活がほぼ同比率の者が多いことが,明らかになった.WLBの実態に対する満足度は,WLB実態尺度4.0以上では,WLBの実態に満足していない男女従業員が多いことがわかった.WLB実態尺度とWLB満足度尺度との関係からみた男女従業員が望むWLBの取れた働き方は,個々人により異なることが明らかになった.そのうえで,男女従業員の多くは,仕事の領域における生活に比重がかかりすぎることも,その逆に,仕事以外の領域(個人,家庭,社会)の生活に比重がかかりすぎることも望んでいないことが理解できた.
- 2009-06-26
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