カリキュラム開発における授業研究の機能(教育哲学)
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概要
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「万人のための教育」を推進するためには基礎教育の質の確保が肝要であると指摘されるが,カリキュラムの児童への密着(localization)は,その重要な要件と考えられる.日本の教育現場に慣習化している「授業研究」は,それを可能にする一つの有効な手段と考えられる.本論は,その活動の過程と活動の成果品としての指導案を分析するとともに,その利点と成立の鍵を握る教員養成の課題を考察する.指導案の形式は様々であるが,教師の児童理解と教材研究に基づく明確なねらいをもって授業に臨ませる機能は共通して見い出される.採択されようとしている指導法の妥当性は,研究グループのなかで検証される.授業後の検討会においては,主に授業に対する児童の反応を尺度に評価される.授業の改善という目的を参加者が共有した検討がなされるので,授業を行う教師の技量向上はもとより,教師集団の全体的な力量向上をもたらし得る.こうした手法が制度的に根づくと,新たに浮上する課題のカリキュラム化も可能にする.
- 国際基督教大学の論文
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