多国籍企業による国際技術移転の「スタイル」に関する実証研究 : 中国に進出する日・台系企業の事例を中心に
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概要
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本稿は多国籍企業による国際間技術移転に関する一つの実証研究である.「技術移転」を経済発展の観点から捉える先行研究の中では,「生産要素移動論的方法論」を適用するものが多い.すなわち労働や資本が国際間で移動するように,生産要素としての「技術」も同じように移動すると考える.ところが,狭義的な技術(取り引き可能な設備,核心部品,図面など)の国際間移転より,広義的な技術(生産・経営システム,ノウハウ,労働者の熟練形成方法などを加える)移転のほうが大変重要でかつ複雑的である.したがって,広義的な技術のうち,「ヒト」を中心とする管理テクニックやノウハウは,多国籍企業の親会社所在地の社会的・歴史的・文化的な影響を強く受けるため,それぞれの特色もしくはスタイルが現れる.本稿は,中国に現地生産を展開している外資系企業3社における人的資源を中心にそれぞれの技術移転方式と独自のスタイルについて比較分析するものである.
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- 橋田坦著, 白桃書房, 『北京のシリコンバレー中国ハイテクのキャッチアップは可能か』, 2000年8月刊, 216頁, 2000円+税