各種矯正用ミニスクリューの形態的特徴と埋入・撤去時発生トルクの評価

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近年,矯正用ミニスクリュー(ミニスクリュー)は,矯正治療における新たな固定源として注目されている.埋入・撤去時のトルクは固定源としてのミニスクリューの予後に大きく影響する.そこで,本研究ではミニスクリューの形態的特徴と埋入・撤去時に発生するトルクの評価を行うことを目的とした.現在市販されている6種類のミニスクリューを用いて,走査電子顕微鏡像によるスクリュー部の形状測定と表面性状の観察,また新規に改良したトルク測定装置を用いて,硬質ポリウレタンフォームに対する埋入・撤去時の最大トルクの計測を行った.ミニスクリューはスクリュー部の形状がストレートタイプ(<1°)とテーパータイプ,また先端部の形状が,セルフタッピングタイプとセルフドリリングタイプで異なっていた.チタン製のミニスクリューでは,ネジ山形状の不規則な部位が他の合金製のミニスクリューよりも多く観察された.埋入・撤去時に発生するトルクは,テーパータイプの方がストレートタイプよりも顕著に大きい値を示した.また,ミニスクリューに発生するトルクは,形態的特徴に著しく影響されることが認められた.これらミニスクリューの設計は,材料の物理的特性を反映し破折しないように,特にチタン合金やステンレスと比較して強度の劣る純チタンでは,トルク設定値を低くして設計されていると考えられる.したがって臨床では,顎骨の骨質によって各種ミニスクリューの選択を留意する必要性が示唆された.
日本矯正歯科学会の論文
2009-02-25

各種矯正用ミニスクリューの形態的特徴と埋入・撤去時発生トルクの評価

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