地方財政構造に関する一考察
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概要
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本稿では, 地方財政制度とそのメカニズムを研究している。基本的な視点は, 「制度分析」である。現行の地方財政の制度を法律に基づいて分析し, どのようなメカニズムが生じているのかを解明している。1つの制度があれば, その下で1つのメカニズムが生じる。制度とそのメカニズムの関係を解明していくことによって, 制度そのものの問題を明らかにできるだけではなく, その制度をどのように改革していくかについての分析の基礎を確立することができる。この「制度分析」に基づいて, 本稿では以下の点を検討している。(1)地方交付税(ここでは普通交付税)の財源配分について分析し, 地方交付税がどのようなルールで地方団体間の財源配分を行っているかについて分析している。この結果から, ダム建設などにおける地方団体の超過負担について論じている。(2)基準税率の引き下げと税源移譲の問題を検討し, 基準税率の引き下げや税源移譲は, 国と地方団体間の財源配分をどのように変化させるかを分析している。(3)国と地方団体の間におけるリスクの負担構造を分析し, 国の財源保障システムの中では, 地方団体はリスクを負わず, 国がリスクをすべて負担する構造になっていることを解明している。
- 北海道大学の論文
- 2009-09-10
著者
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