利益マネジメントの動学モデル
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概要
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本稿では,これまで考察することが難しかった側面に焦点を当てるため,利益マネジメントの動学モデルを提示する.特に,本稿で提示する動学的な利益マネジメントのモデルは,従来よりも巨視的な視点からの分析を可能にするものである.具体的には,これまでの利益マネジメントのモデルでは扱うことが難しかった,次の3つの側面を考察する.第一に,近年の実証研究によって明らかにされつつある法的・制度的要因が利益マネジメントに与える影響を考察する.第二に,他の企業が行なう利益マネジメントによって,会計基準がより厳格になることによる影響を考察する.すなわち,市場の競争環境,会計基準,および利益マネジメントの相互関係を分析する.また第三に,国際会計基準の導入のような大きな変化によって,どのように利益マネジメントが影響を受けるかを考察する.特に,ある均衡状態にあるときに,このような変化が起こったとき,新しい均衡状態にどのように移行するかについて考察する.
- 名古屋商科大学の論文
著者
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