比較会計制度分析 : コントロール機能の一つの分析視角
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概要
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本稿は,近年のミクロ経済学分野における研究成果,特に契約理論に基づく研究成果を参考にして,会計を比較制度分析と呼ばれる分析手法にしたがって考察すること-本稿ではこれを「比較会計制度分析」とよぶ-の重要性について議論する.また,会計のコントロール機能について研究するときの,比較会計制度分析という視点の意義を明らかにする.このためにまず,会計を分析するための手法としてみたときに,ミクロ経済学,特に契約理論がどのように進展してきたかを簡潔に説明する.次に,現実の経営者報酬契約とコンビニエンスストア業界におけるフランチャイズ契約を例にして,比較制度分析がなぜ会計研究において重要な視点を提供しうるのかを説明する.また本稿では,比較会計制度分析とみなすことのできるこれまでに行われたいくつかの研究成果についても併せて紹介する.最後に,事例・実証分析と数理モデル分析の融合という観点から,今後の比較会計制度分析の方向性についての展望を述べる.
- 2011-03-31
著者
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