移転価格税制における2国間事前確認制度 (BAPA)
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概要
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本稿では,2国間事前確認制度をモデル化することにより,国内および海外課税当局の相互協議によって移転価格がどのように決定されるかを分析する.具体的には,税収を最大化する課税当局が多国籍企業の行動原理を織り込んで,交渉により移転価格を決定するモデルを定式化している.本稿の主要な結論は以下の通りである.第一に,海外課税当局が交渉力を持つケースにおいて,移転価格は上限価格となる.第二に,国内課税当局が交渉力を持つケースにおいて,国内政府の税収を最大にする移転価格が存在し,その価格は最終財の市場規模が大きくなるほど低くなり,2国間の税率差が大きくなるほど高くなる.
- 名古屋商科大学の論文