自律訓練法・標準練習のリラクセーション効果に関する検討
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概要
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本研究の目的は,リラックス状態を測定する尺度を作成し,大学生を対象に自律訓練法・標準練習を実施し,その効果を検討することである。大学生234名を対象に「リラックスに関するイメージ」に基づいた40項目の仮尺度について因子分析を行った結果,第1因子「積極-活動」(9項目,α=0.86),第2因子「安定-弛緩」(8項目,α=0.89),第3因子「過敏-緊張」(8項目,α=0.87),第4因子「不安-心配」(5項目,α=0.78)の4因子30項目を抽出した。得られた4因子30項目と日本語版状態-特性不安尺度STAIとの相関は第1因子,第2因子においては負の相関が,第3因子,第4因子においては正の相関がみられ,構成概念妥当性が認められた。そこで大学生8名を対象に5週間,自律訓練法・標準練習を実施し,練習前後のリラックス状態の変化を測定したところ,第4因子「不安-心配」因子の練習前後の得点において,安静状態にあった統制群よりも有意に得点が減少した。このことから本研究で作成した尺度はリラックス状態を測定する上で意義のあるものであると考えられる。今後の課題としては,作成した尺度に関する信頼性,妥当性のさらなる検討と,練習期間や他のリラクセーション技法における検討が必要である。
- 久留米大学の論文
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