自律訓練法・標準練習のリラクセーション効果に関する検討(第2報) : 自己評定式尺度を用いて
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概要
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本研究の目的は,リラックス状態を測定する尺度を再度作成し,大学生を対象に自律訓練法・標準練習を実施し,その効果を検討することである。北村と日高(2005)が大学生234名を対象に作成した「リラックスに関するイメージ」に基づいた40項目のリラクセーション効果仮尺度について因子分析を行った結果,第1因子「弛緩状態」(11項目,α=0.93),第2因子「緊張関連」(6項目,α=0.85),第3因子「積極志向」(8項目,α=0.85),第4因子「不安関連」(5項目,α=0.80)の4因子30項目を抽出した。得られた4因子30項目と日本語版状態-特性不安尺度STAIとの相関は第1因子,第3因子においては正の相関が,第2因子,第4因子においては負の相関がみられ,構成概念妥当性が認められた。そこで大学生13名を対象に4週間,自律訓練法・標準練習を実施し,練習前後のリラクセーション効果を測定するためにリラックス状態の変化を測定したところ,第2因子「緊張関連」因子の練習前後の得点において,練習開始時と1週間後に,安静状態にあった統制群よりも有意に得点が減少した。さらに身体感覚チェック表の「今現在の身体の感覚」において実験群が統制群よりも期間がすすむごとに有意に得点が増加した。これは自律訓練法によるリラクセーション効果を身体感覚の自覚的変化として捉えることができたということを示唆するものであるといえる。以上のことから本研究で作成した尺度がリラックス状態を測定する上で意義のあるものであると考えられる。今後の課題としては,作成した尺度に関する信頼性,妥当性のさらなる検討と,長期の練習期間における検討や他のリラクセーション技法との比較検討が必要である。
- 久留米大学の論文
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