17. 阪神・淡路大震災における企業の震後対応について

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1.研究の背景阪神・淡路大震災は,神戸市を中心とした都市の経済活動の集中地域に発生したため,近年発生した地震ではみられなかった企業活動の麻痺が,-つの大きな特徴であった.例えば,工場・オフィスピルといった施設の損壊による直接被害だけでなく,ライフラインの途絶に伴い,生産機能・物流機能の低下といった間接被害へと拡大した.それに対し企業は,従業員及び地域住民の安全確保,企業活動の早期回復といった様々な震後対応をとった. 2.研究の目的これら企業の震後対応が新聞・雑誌等に報告されているが,今後の企業の地震防災対策を考える上で,施設のハード対策だけでなく,避難・応急・復旧対応といったソフト的な面も考慮した防災対策が重要になると考えられる.そこで今後,企業の地震防災対策を進めていく上での第一段階として,神戸市における企業活動の状況,そして企業活動の観点からみた,阪神・淡路大震災による地震被害及びその震後対応について新聞記事等を調査し,若干の考察を行った. 3.研究の概要阪神・淡路大震災と過去の地震による被害の比較から,今回の震災が人的被害だけでなく,特に経済的被害が甚大であったことが分かった.特に企業活動においては,(1)店舗・工場等の施設被害 (2)ライフラインの被害 (3)インフラストラクチュアの被害といった施設・構造物の被害によって,被災地はもとより,それ以外の地域にもその影響が及んだ.また,これら震災の影響に対する企業の震後対応は,大きく分けて以下の3つにまとめることができる. (1)企業活動の早期回復 (2)従業員の安全確保 (3)地域の貢献今回の震災は,改めて震災時における企業活動の弱点を示した.今後このような都市型震災が首都圏直下で起こる可能性があるといわれる現在,行政・企業・住民の3者がそれぞれ防災能力を高めることが重要である.

17. 阪神・淡路大震災における企業の震後対応について

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