温熱シートによる長時間温罨法が若年女性の便秘症状に及ぼす影響
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概要
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本研究は,温熱シートを使用した温罨法が若年女性の便通改善に有効であるかどうかを検討する目的で行ったものである。健康な若年女性(平均年齢20歳)18名を対象に,蒸気温熱シートを下腹部に1日平均8時間,7日間にわたり継続貼用し,便通の変化を測定した。便通状態とその変化は『日本語版便秘評価尺度LT版』(以下,CASLT版とする)を使用し測定した。温罨法貼用によって便通状態の変化は,CAS-LT版で7.4±1.2から5.4±1.8と有意な減少(p< 0.05)が示された。便秘症状の変化では,CAS-LT版8項目中5項目において有意な改善結果が示された。蒸気温熱シートによる長時間の温罨法が便秘改善につながった理由として,皮膚表面温度の上昇が皮膚温受容器の活動を高め,体性−内臓神経反射などにより腸蠕動運動の亢進をもたらしたものと推測される。蒸気温熱シートを用いた「長時間温罨法」は,その継続的な加熱により便秘症の改善に顕著な効果のあることが明らかになった。
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