変形性膝関節症を患う在宅高齢者の語り : 受診行動が遅れた1事例の検討
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概要
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本研究は、変形性膝関節症を患った在宅高齢者の語りから、受診行動が遅れた原因を明らかにすることを目的として行った事例研究である。協力者は80歳代の女性1名で、膝痛や膝腫脹があっても我慢し続けて、歩行困難になった時点で受診行動をとっていた。データ収集はインタビューによって行い,分析は語られた内容を要約しカテゴリー化した結果を検討した。その結果,【生死は人間業ではどうにもならない】【娘時代ほどつらいことはない】【娘に迷惑をかけたくない】の3つのカテゴリーが抽出された。そして、受診行動の遅れには娘時代のつらい経験から、自分なりの対処法をとったことが影響していた。よって患者が行う対処法には、一人ひとりの生き方そのものが影響している可能性があるため、否定せず尊重しながら、適切なサポートが受けられるように調整していくことが、看護師の役割であることが示唆された。
- 名寄市立大学の論文
著者
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高岡 哲子
名寄市立大学保健福祉学部看護学科
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深澤 圭子
名寄市立大学保健福祉学部看護学科
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藤井 瑞恵
市立名寄短期大学看護学科
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高岡 哲子
名寄市立大学 保健福祉学部看護学科
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藤井 瑞恵
札幌市立大学看護学部
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深澤 圭子
北海道文教大学人間科学部看護学科
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