変形性膝関節症を患った在宅高齢者の対処行動と「生活の折り合い」
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概要
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本研究の目的は、変形性膝関節症(OA)と診断された在宅高齢者が、日常生活を送る上での苦痛や不自由さを、どのように対処行動、折り合いをつけているのかを明らかにすることである。対象はOAと診断され1年以上が経過した、手術療法を受けていない10名の高齢者であった。データ収集は、症状と対処方法を中心にして半構成的インタビューを行い、データ分析は、意味内容の類似性に合わせてカテゴリー化し、それらの関連を明らかにした。この結果、対象は《苦痛症状》によってQOLを低下させ、《対処行動》《趣味・役割行動》によってQOLを向上させていた。つまりOA患者は《苦痛症状》がある状況を《対処行動》をとること自体で、そして《対処行動》により《趣味・役割行動》を継続することで《感情》を変化させながら、生活に折り合いをつけていた。よって看護では、患者の痛みをできるだけ軽減し本人が趣味活動や自らの役割が継続できるように援助することの重要性が示唆された。
- 名寄市立大学の論文
著者
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高岡 哲子
名寄市立大学保健福祉学部看護学科
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深澤 圭子
名寄市立大学保健福祉学部看護学科
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紺谷 英司
名寄市立大学保健福祉学部看護学科
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藤井 瑞恵
市立名寄短期大学看護学科
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高岡 哲子
名寄市立大学 保健福祉学部看護学科
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藤井 瑞恵
札幌市立大学看護学部
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深澤 圭子
北海道文教大学人間科学部看護学科
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