最近3年間の血液疾患患者の集中治療部への収容状況に関する検討

概要

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【目的】最近3年間の血液疾患患者の集中治療部(ICU)管理について後方視的にその現状を検討すること.【対象】2004年6月から2007年5月までの最近3年間にICUに収容した血液疾患患者のべ21名.【結果】入室症例はすべて緊急入室症例であった.1年毎の入室患者数は,のべ8名以下で,非常に少なかったが,各年とも死亡率は50%以上と非常に高率であった.ICU入室時の重症度スコア(SOFAスコア)は,7.4 ± 3.1であり重症度は高く,ICU入室日数は12.1 ± 6.5(日)であった.再入室症例は,3例含んでいたが全症例がICUで死亡していた.治療内容は,ほとんどの症例で人工呼吸管理と重症感染症を念頭においた抗菌療法を施行しており,その他に循環管理,血液浄化療法をおこなっていた. 生存群と死亡群にわけてみると,ICU入室時のSOFAスコアは,それぞれ8.4 ± 2.9と6.7 ± 3.1 (p=0.1996)であった.ICU滞在日数(日)は,それぞれ9.4 ± 3.9と14.2 ± 7.3 (p=0.0976)であった.【結語】1. 入室症例数は少ないが,ICU収容時の重症度は高く,死亡率も高かった.2. ICU退室後に再度入室する症例の予後は不良であった.3. 死亡群は生存群と比較して,入室時の重症度スコアやICU滞在日数に有意差はなかったが,ICU滞在日数は長期化の傾向を認めた.
2007-12-25