頸椎椎間関節ブロックおよび頸部脊髄神経後枝内側枝への高周波熱凝固術が有効であった外傷性頸部症候群の2症例
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概要
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頸椎椎間関節ブロックおよび頸部脊髄神経後枝内側枝への高周波熱凝固術が有効であった外傷性頸部症候群の2症例を経験したので報告する.症例1は32歳の女性で,1年前,車を運転中に後方から追突された.その後出現した右後頸部痛と右顔面痛に対し,非ステロイド性抗炎症薬(nonsteroidal anti-inflammatory drug:NSAIDs)の内服や理学療法を受けたが,痛みは軽減しなかったので,当科を受診した.透視下に右C3/4,4/5の椎間関節ブロックを3回,右C4の脊髄神経後枝内側枝への高周波熱凝固術を1回施行し,右後頸部痛は軽減した.しかし,右顔面痛は不変であった.右顔面痛は,右星状神経節ブロック(stellate ganglion block:SGB)を10回施行し,軽減した.症例2は61歳の女性で,6カ月前,バイクを運転中に車に追突された.その後,右後頸部痛と右耳鳴りが出現した.NSAIDsの内服や理学療法を受けたが,右後頸部痛と右耳鳴りは改善しなかったので,当科を受診した.右C3/4,4/5の椎間関節ブロックを3回と右SGBを5回施行し,右後頸部痛と右耳鳴りは改善した.外傷性頸部症候群の後頸部痛には,頸椎椎間関節ブロックは有効な診断的治療法である.椎間関節ブロックの効果が一時的であれば,頸部脊髄神経後枝内側枝への高周波熱凝固術を考慮する必要がある.
- 2010-05-25
著者
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澄川 耕二
長崎大学大学院麻酔・蘇生科学
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澄川 耕二
長崎大学麻酔科
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境 徹也
長崎大学医学部・歯学部附属病院麻酔科
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澄川 耕二
長崎大学医学部・歯学部附属病院麻酔科
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境 徹也
長崎大学麻酔科
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澄川 耕二
長崎大学 医学部麻酔科学教室
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澄川 耕二
長崎大学 医学部 麻酔学教室
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澄川 耕二
長崎大学 大学院麻酔・蘇生科学
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