EDTA静脈内投与により低カルシウム状態に誘導したヒツジにおけるカルシウムおよび骨代謝マーカーの動態
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概要
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本研究は反芻動物における骨代謝によるカルシウム(Ca)恒常性機構の変動をより鋭敏に反映する血中マーカーを選定することを目的とし、EDTA静脈内投与により低Ca状態に誘導したヒツジにおけるCaおよび骨代謝マーカーの動態について解析した。試験には成羊5頭を用いた。それぞれの個体に6%Na_2EDTA溶液1ml/kgを30分かけて静脈内に注入した。注入前後に採血し、血清中のCa濃度、ならびにCa代謝あるいは骨代謝の指標として血清中ジヒドロキシビタミンD_3(1,25(OH)_2D_3)濃度、骨型アルカリホスファターゼ(BAP)活性値、オステオカルシン濃度およびI型コラーゲンテロペプチド濃度を測定した。血中Ca濃度はEDTA注入後直ちに低下した(P<0.01)。1,25(OH)_2D_3濃度は注入前に比べて注入開始から120分後に上昇した(P<0.01)。BAP活性値は注入直後に低下し、その後低い値で推移した(P<0.01)。他のマーカーについては測定期間中に有意な変化をとらえることができなかった。以上の結果、ヒツジにおいて、1,25(OH)_2D_3およびBAPはCa代謝および骨代謝の状態を鋭敏に反映するマーカーであることが示された。
- 2009-03-25
著者
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杉田 昭栄
宇都宮大学農学部
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長尾 慶和
宇都宮大学農学部附属農場
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市瀬 瑞樹
東京農工大学大学院連合農学研究科
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杉田 昭栄
宇都宮大農
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杉田 昭栄
宇都宮大・動物機能形態
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杉田 昭栄
解剖学第三講座
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杉田 昭栄
宇都宮大学農学部生物生産科学科動物機能形態学研究室
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杉田 昭栄
宇都宮大学農学部生物生産科学科動物生産学講座
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杉田 昭栄
東京都立大学 理
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長尾 慶和
東京農工大学大学院連合農学研究科:宇都宮大学農学部附属農場
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長尾 慶和
東京農工大学大学院連合農学研究科
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杉田 昭栄
東京農工大学大学院連合農学研究科:宇都宮大学農学部
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杉田 昭栄
宇都宮大・応生化・動物
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杉田 昭栄
宇都宮大学農学部動物生産学講座
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杉田 昭栄
東京農工大学大学院連合農学研究科
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