馬視神経における数量的解析(解剖学)

概要

論文の詳細を見る
光学顕微鏡及び電子顕微鏡により馬視神経の数量的解析を行った.光学顕微鏡標本は0.35μmの薄切片とし, トルイジンブルー染色を施した.使用した視神経は3個の眼球から採取し, その部位はそれぞれ眼球後端から12-18mm内のものとした.視神経の横断面積やその内の軸索含有面積はそれぞれ20.03±1.04, 16.59±0.79mm^2であった.光学顕微鏡による結果では視神経L1(左側No.1), R2(右側No.2), R3(右側No.3)の軸索数はそれぞれ約481×10^3本, 543×10^3本, 494×10^3本であった.また, 電子顕微鏡写真から推測した視神経L1の軸索数は約488×10^3本であった.一方, 電子顕微鏡写真から視神経L1の軸索の直径を測った.一つの軸索と同じ周囲の長さを持つ円の直径をその軸索の直径とし, 軸索の髄鞘は測定から除いた.測定した5, 744本の軸索の直径は0.23-12.69μmで, 平均は2.56±1.45μmであった.また, 視神経内において軸索の太さによる分布の区域差が見られ, 視神経の中央背部の軸索がもっとも細く, 周辺のいくつかの区域の軸索の太さとは有意に差があった(P<0.05).
2001-08-25