街並みスケッチを視た際の注視行動 : 「街道をゆく」スケッチ集を事例として

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概要

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本稿では、街並みスケッチの構図の違い、構成原理、構成要素、着彩の有無等が注視行動に及ぼす影響や傾向を分析・考察した。その結果は、以下のようにまとめられた。1)スケッチの構図により、固有の注視行動のパターンがあった。軸景では消失点を中心に注視時間が長くなる傾向があった。2)人や車、サイン等が描かれている場合、それらへの注視時間か長くなる傾向が認められ、建築物への注視が極めて少ないことが示唆された。また、スケッチの中で濃くあるいは明るい着彩が施されている部分(建築物、木(葉)、サイン等)への注視傾向を確認した。3)被験者は、スケッチを視始めた早い段階で描かれた場面についての状況判断をしたと推察できた。その後、描かれた対象によっては注視する範囲を広げたり、あるいはより細部を視ていくというプロセスをとったことが示唆された。

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