室戸岬地域における中新世の海溝近傍火成活動
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
室戸岬地域の前期中新世四十寺山層は,日沖メランジュの上に堆積した海溝斜面堆積物と推定される.四十寺山層下部の泥岩は,枕状溶岩や火山角礫岩,火山性砂岩を挟在し,四十寺山ドレライトを含む.日沖メランジュには丸山ドレライトが貫入する.枕状玄武岩,火山角礫岩中の玄武岩質安山岩礫・ドレライト礫,丸山・四十寺山ドレライトは,非アルカリ岩系の玄武岩-安山岩に分類される.微量元素組成と単斜輝石組成を用いた判別図において,丸山ドレライトとドレライト礫はMORBに,枕状玄武岩や玄武岩質安山岩礫(椎名火山岩類),四十寺山ドレライトは島弧玄武岩に判別される.沈み込んだ四国海盆の活動的海嶺から付加体にマグマが直接供給されてドレライトの多くが形成された.椎名火山岩類の形成は,MORBマグマによる四万十泥岩の同化作用と分別結晶作用に由来する.ドレライトと椎名火山岩類は,海嶺の沈み込みに関連した海溝近傍火成活動の産物である.
- 2009-01-15
著者
-
今岡 照喜
山口大学理学部地球科学教室
-
今岡 照喜
山口大学大学院理工学研究科
-
今岡 照喜
山口大 大学院理工学研究科
-
君波 和雄
山口大学大学院理工学研究科
-
亀井 淳志
島根大学総合理工学部地球資源環境学科
-
溝口 秀治
山口大学大学院理工学研究科
-
今岡 照喜
山口大学教養部
-
溝口 秀治
山口大学大学院理工学研究科:(現)サンコーコンサルタント株式会社
-
亀井 淳志
島根大学総合理工学部
関連論文
- 室戸岬地域における中新世の海溝近傍火成活動
- 西南日本のジュラ紀付加体砂岩におけるジュラ紀中世の組成変化とその意義
- 変成〜弱変成付加体におけるビトリナイトの反射率と光学異方性 : 四国東部の三波川変成帯-北部秩父帯を例として
- 山口県における白亜紀吉部コールドロンおよび関連岩類のK-Ar年代 : 西中国地域における白亜紀火山-深成活動の時空変遷
- 山口県北西部の白亜紀白滝山コールドロン:非対称陥没の例
- 島根県西部,大麻山深成複合岩体の地質・岩石記載とK-Ar年代
- 四国西部の秩父累帯北部における構造層序
- デジタルイオンメーターを用いた珪酸塩岩中のフッ素の定量方法とその応用例
- 78 最上部白亜系中の川層群の堆積作用と形成場
- 混合融剤(A12)を使用した岩石の蛍光X線分析