家兎腸管ニ於ケル中樞亢奮藥ノ作用ニ就テ
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概要
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かんふるハ中樞亢奮性藥劑ニシテ脊髓ニ於ケル血管運動中樞ニ作用シテ血壓ノ亢進ヲ起シ,呼吸中樞ニ作用シテ其ノ呼吸量ヲ増大ス,大腦皮質ノ運動中樞ヲ刺戟シテ癲癇樣痙攣ヲ發シ,麻醉藥ニ對シ拮抗的ニ作用ス.而シテかんふる使用ニヨリ副腎ヨリノあどれなりんノ分泌ヲ高メ,亦其ノ皮下注射ニヨリ血糖増加ヲ來ス,此レ等作用機轉ハ交感神經中樞亢奮ノ結果ナリトセリ,亦該藥ノ皮下注射ニヨリ瞳孔變化ノ作用機轉ニ就テ亦冷血温血兩動物ノ血管ニ就テノ研究アリ,然ルニ腸管ニ對スル研究ハ今尚少ナシ唯一二ノ剔出腸管ニ對スル研究アルノミニシテ生體腸管ニ對スル研究ハ之レヲ見ズ,故ニ余ハかんふる濃厚水溶液タルがだみんトかんふる異性體タルこらみん及ビへくせとんノ剔出腸管ニ對スル侵襲點ヲ追究スルト共ニ生體腸管ニ於ケル此レ等藥物ノ作用機轉ノ研究ヲ試ミシ所以ナリ.1).剔出家兎腸管ニ於テハかんふる製劑タルがだみん,及ビ其ノ異性體タルこらみん及ビへくせとんハ實驗ノ示スガ如ク稀薄濃度ニ於テ已ニ緊張ノ下降ヲ示シ濃度ノ濃厚ナルニ從ビ緊張ハ異状ニ下降シ腸管運動ハ遂ニ停止ノ状態トナリ,ばりうむヲ注加スルモ反應ナシ,亦あとろぴんヲ以テ前處置スル腸管ニ於テモ同樣ナリ,即チ此レ等藥物ハ剔出腸管ニ對シテハ常ニ抑制的ニ作用シ,シカモ腸管滑平筋自身ニ作用スルモノナリ.2).生體家兎ノ靜脈ニがだみんヲ注射スルニ注射後直チニ腸管運動ハ抑制セラル,然レドモ其ノ抑制ハ暫時ニシテ消失シテ原状態ニ復スルモ再ビ腸管運動ハ抑制セラレ徐々ニ回復ス.亦最初ノ抑制ニ次ギ腸管ノ緊張ノ上昇及ビ腸管運動ノ増加ヲ來スコトアリ,而シテ此レ等腸管ノ緊張ノ上昇及ビ運動ノ増加ハ迷走神經切斷家兎腸管並ニあとろぴんノ前處置ヲ以テセル家兎腸管ニ於テモ觀察シ得.がだみん注射後表ハレル腸管運動ノ抑制ハ兩側内臟神經切断家兎腸管ニ於テハ之レヲ認メズ.尚兩側内臟紳經切断家兎腸管ニ於テがだみんハ稀ニ腸管ノ弛緩及腸管運動振幅ノ減少ヲ來ス事アリ.是ニ依リ之レヲ觀レバがだみんハ一方内臟神經中樞ノ亢奮ヲ起シ腸管運動ヲ抑制シ亦他方腸管滑平筋自己ニ作用シ之レヲ亢奮亦ハ抑制ス.而シテ生體ニ於ケルがだみん作用ハ副交感神經ニハ全ク關係ナシ.尚こらみんノ腸管ニ對スル作用ハ實驗ノ示スガ如クがだみんノ作用ニ類似セルモ其ノ作用ハ短カクシテ強シ.而シテへくせとんノ腸管運動抑制作用ハ主トシテ交感神經中樞ノ亢奮ニヨルモノナリ.
- 京都府立医科大学の論文
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