家兎腸管運動ニ對スルぴくろときんノ影響ニ就テ
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概要
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びくろときしんハ主ニ高等動物ノ中樞性神經系統ノ一定範圍ニ其ノ毒性作用ヲ表ハシ殊ニ延髓ニ於ケル痙攣中樞ヲ刺戟シ其レニヨリ癲癇樣痙攣ヲ起ス事ハ周知ノ事ナリ.而シテびくろときしんノ腸管運動ニ對スル作用ニ就テハ今尚研究者ニヨリ其ノ試驗ノ結果種々ニシテ其ノ一致ヲ見ズ.故ニ余ハ家兎腸管運動ニ於ケル該藥ノ作用機轉ヲ研究セン爲メ剔出,生體兩家兎腸管ノ運動ニ對スル本藥ノ作用ヲ實驗セシ所以ナリ.而シテ剔出家兎腸管ニ就テハ0.001%ニ於テハ何ン等ノ作用ナシ.即チ末梢作用ハ此ノ濃度ニ於テハ起ラズ.然ルニ楠本氏ノ定メシ最小痙攣量以下即チ當kg0.5mgヲ頸靜脈ニ注射スルニ注射後3-5分後ニハ緊張下降シ運動ハ微弱トナリ時ニ停止ノ状態トナル.而シテ20分乃至30分後腸管運動ハ漸次回復シ緊張モ亦舊位ニ復ス.而シテ兩側迷走神經ヲ切斷セル家兎及ビあとろびんノ前處置ヲ以テセル家兎ニ於テモ同樣ノ變化ヲ見ル.然ルニ兩側内臟神經ヲ切斷セル家兎ニ於テハ緊張下降モ振幅ノ變化及ビ收縮度ノ變化モ認メズ.以上實驗ニヨリぴくろときしんノ痙攣量以下ニ於テハ末梢作用ナク,中樞作用ノミ表ハレ,シカモ共中樞ハ内臟神經即チ交感神經ノ中樞ニ作用ヲ表ハスモノナリ.
- 京都府立医科大学の論文
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