生體家兎腸管運動ニ對スルこかいんトあどれなりん及ビあどれなろんノ合併作用ニ就テ
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概要
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あどれなりんトこかいんノ併用ニ於テ一方こかいんノ局所麻痺作用ノあどれなりんニヨリ増強,他方あどれなりんノ作用ノこかいんニヨリ増強ストノ二方面ニ別ツベシ.局所麻痺ヲ行フニ際シこかいんニあどれなりんヲ加フル事ニヨリ著シク麻痺作用ノ増強遷延スル事ハ夙ニBraun氏ニヨリ唱導セラレテ以來兩者併用ニ就テノ研究ハ多數ノ人ニヨリ多種多樣ニ亘リ試ミラレ,其ノ業績又山積スト雖モ歸着スル處未ダ必ズシモ一致セシト云フヲ得ズ.こかいんガあどれなりんノ作用ニ及ボス影響ニ就テ學者意見尚一致セズ.之レニ就テ1910年Frohlich u Loewiガあどれなりんノ瞳孔散大作用ガこかいんニヨリ著シク増強セラルル事實ヲ猫ニ就テ實驗セシ以來,あどれなりんノ血壓上昇作用,血糖増加作用ガこかいんニヨリ増強セラルルト云ヒ,摘出臟器ニ於テハこかいんニヨリあどれなりんノ腸管抑制作用ハ増強セラルルトナシ,或ハ家兎腸管ニ於テハこかいんニヨリあどれなりん作用ハ影響ヲ受ケズトセリ.叙上ノ如クこかいんノあどれなりん作用ノ影響ニ就テハ先人ノ種々研究セル處ナルモ,臟器ニ於ケル關係ハ皆摘出臟器ノミニシテ未ダ生體ノ其レニ就テノ研究ハ之レヲ見ズ.故ニ余ハ生體腸管ニ就キ之レ等ノ關係ヲ窺ハント欲シ本實驗ヲ施行セリ.尚こかいんノ作用ニ就テハ種々ノ方面ヨリ研究セラレ其ノ侵襲點ニ就テモ交感神經ニアリトスルモノ,筋自己ニアリトスルモノ,交感神經及ビ筋兩説ヲ唱フルモノ等其ノ論ズル處區々ニシテ一致セシ所ナキモ,剔出臟器殊ニ腸管ニ於テハ一般ニ小量ニテハ興奮,大量ニテハ抑制作用ヲ現ス事ハ明ナリ.然ルニ生體腸管ニ於ケルこかいんノ實驗ハ之レヲ觀ズ.故ニ余ハ生體腸管ニ對スルこかいんノ作用ヲモ同時ニ實驗シ,腸管ニ對スルあどれなりん及ビあどれなろんトノ關係ヲ明ニセントス.實驗ニ際シ麻醉ヲ施サザル時ハこかいんハ對kg0.003gヨリ以上ノ濃度ニ於テハ家兎ハ多クハ呼吸困難ヲ起シ,苦悶状態トナリ,きもぐらふいをんニ其ノ運動ヲ描畫スルヲ得ズ.故ニ余ハ其ノ中樞刺戟ヲ或程度迄緩和セン爲メ對kg1.0gノ割合ニうれたんヲ皮下ニ注射シこかいんノ腸管ニ對スル運動ヲ觀察セリ.1)こかいんハ生體家兎腸管ニ於テハ交感神經ト筋肉トニ同時ニ作用スルモノニシテ一般ニ小量ニ於テハ交感神經ノ末梢ニ作用シ抑制作用ヲ表ハシ,中等量ニ於テハ滑平筋自身ニ作用シテ亢奮作用ヲ現ス.2)あどれなりん,あどれなろんノこかいん併用ニ於テ各作用閾下量ニ於テハ其ノ作用ヲ現サズ.3)あどれなりん,あどれなろんノ有効量ヲ作用セシメこかいんノ作用閾下量ヲ作用セシムルニこかいんノ作用ハ増強セラレズ.4)こかいんノ抑制,亢奮何レノ量ニテモ作用セシメあどれなりん,あどれなろんノ作用閾下量ヲ作用セシムルニヨリ其ノ作用ヲ現ス.5)あどれなりんノ作用トこかいんノ亢奮量トヲ同時ニ作用セシムル時ハ抑制亢奮共ニ現レ,其ノ抑制作用ハあどれなりん單獨作用ヨリモ増強セラル.以上ノ成績ヨリ之レヲ見ルニ生體家兎腸管ニ於テハ此等併用試驗ニ於テあどれなりん,あどれなろんノ有効量ハこかいんノ作用ヲ高メズ.こかいんノ有効量ヲ先驅セシメシ時ノミあどれなりん,あどれなろんノ作用閾下量ヲシテヨク作用セシムルヲ知ル.
- 京都府立医科大学の論文
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