ぐるたちよんニ關スル研究 : 第三編 甲状腺機能ノ各種組織臟器ノぐるたちよんニ及ボス影響
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概要
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動物ノ組織乃至臟器ニ於テ機能旺盛ナルモノニぐるたちよん多量ニシ機能減退セルモノニぐるたちよん少キハ既ニ第一乃至第二編ニ述ベタル所也。飜テ思フニ生體組織臟器ノ機能ハ内分泌腺ニ關係スルコト極メテ深シ。就中甲状腺ニヨリテ支配セラルヽコト大ナルハ從來ノ文献ノ示ストコロナリ。例ヘバRohrerハ甲状腺飼養まうすノ肝.腎及ビ筋肉ハ酸化作用著シク上昇スルヲ記載セルガ如シ。本邦ニ於テ既ニ飯塚教授ハ甲状腺飼養家兎血液ノ酸素消費量ハ著シク増加スルヲ報ゼラレタリ。近時前田ハ甲状腺飼養家兎諸臟器ノ組織呼吸ヲ檢シ.肝.副腎.脾臟ノ酸素消費量ハ著シク増加シ・睾丸・膵臟ニ於テハ稍著シク.腎臟ハ殆ンド變化ナク.コレニ反シ甲状腺ニ於テハ却テ減少スルヲ認メタリ。思フニカクノ如ク甲状腺ハ組織臟器ノ酸化機能ト密接ナル關係ニ於テ立ツガ故ニぐるたちよんモ亦甲状腺ニヨリテ影響セラルベキナリ。著者ハ家兎ヲ用ヒTunnicliffeノ方法ニヨリ恩師飯塚教授指導ノ下ニ實驗ヲ企圖シ次ノ如キ結果ヲ得タリ。一.體重二瓩内外ノ正常雄性家兎ニ於ケル各種組織臟器ノぐるたちよんハ海〓ノソレニ比シ其動搖帯ハ著シク狹ク肺臟ハ〇・一一七-〇・一二〇%平均〇・一一九%.心臟ハ〇・〇六九-〇・〇九五%平均〇・〇七六%・肝臟ニ於テハ〇・二五二・-〇・三一〇%平均〇・二八六%.脾臟ニオイトテハ〇・二〇〇-〇・二二六%平均〇・二一六%.腎臟ニ於テハ〇・一一〇-〇・一二〇平均〇・一一七%・膵臟ニ於テハ〇・〇八九-〇・一〇八%平均〇・一〇二%.副腎ニ於テハ〇一四二一〇・一八〇%平均〇・一五八%.睾丸ハ〇・一一〇-〇・一二〇%平均〇・一一八%.而シテ筋肉ハ〇・〇三三-〇・〇四〇平均〇・〇三七%.血液ハ.〇・〇一九-〇・〇・〇二一%平均〇・〇二〇%也,今ぐるたちよん量ノ多寡ヨリ順次ニコヒヲ列記スレバ次ノ如シ。肝臟.脾臟.副腎.肺臟.腎臟.睾丸.膵臟.心臟.筋肉.血液.二.甲状腺飼養家兎ニ見ルニ副腎ニ於デぐるたちよん最モ増加シ.次デ睾丸.脾臟ニ及ビ腎臟ハ僅カニ増加セリ。他ノ諸臟器ニ於テハ其ノ一定量ニ於テハ變化ヲ認メガタシ。肝臟ハ一定量ニオイテハ變化ナキモ甲状腺劑支給ニヨリソノ大サ及ビ重量ヲ増加スルヲ以テ全肝臟トシテハぐるたちよん増量スベキ也。三.正常家兎ノ各種組織臟器ノ水分ト甲状腺劑飼養家兎ノコレ等組織臟器ノ水分トヲ比較スルニ著シキ變化ヲ認メズ。唯筋肉ニ於テ稍著明ノ減少シ示セリ。故ニ甲状腺支給ニヨルぐるたちよんノ増加ハ單ニ水分減少ニ因スルモノニアラズ。
- 京都府立医科大学の論文
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