車椅子疑似体験学習における障害のある方の参加の意義
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概要
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当大学作業療法学専攻では, 2年次と3年次の車椅子疑似体験学習において, 平成17年度より脊髄損傷の方が参加して実施している. そこで, 今回の研究では, 車椅子疑似体験終了後に学生と参加した脊髄損傷のある方に実習の意義, 内容についてアンケート調査と面接を実施し, 分析した.その結果, 学生は障害のある方の参加に対して, 90%程度が良かったと回答していた. 自由記述でも行動や話すことにより理解や気づきが深まっていた. 脊髄損傷のある方は実習内容に肯定的であった. 自由記述でも車椅子疑似体験の意義を認め, 継続の必要性を指摘していた. また, 脊髄損傷のある方自身もバリアへの気づきが見られた.よって, 車椅子疑似体験で障害のある方の参加は, 学生や障害のある方にも有効であることが示唆された.In the occupational therapy major at this University, wheelchair experiential learning program for second and third year students was performed from fiscal year 2005 with participation by persons with spinal cord injury. In the present research, following completion of the wheelchair experiential learning program, a questionnaire-based survey and interviews of the students and participants with spinal cord injury were performed regarding the contents and significance of the learning, and analysis was made thereof.As results, around 90% of the students responded that participation by a person with a disability was good. In the freely written response portion, too, it was stated that understanding and awareness had deepened due to the behavior and conversation. The participants with spinal cord injury were positive about the practical learning contents. In the freely written response, too, the significance of the mock wheelchair experience was recognized, and the necessity of continuing on was pointed out. Also, the participants with spinal cord injury were also able to discern barriers themselves.Thus, it was suggested that participation of a disabled person in the wheelchair experiential learning program was effective for both students and the disabled person themselves.
著者
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