糖アルコール食品のう蝕誘発性の評価ならびに口腔環境に与える影響

概要

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糖アルコールは,虫歯予防や生活習慣病予防に効果があるものの,現在市販されているスクロース不含,糖アルコール含有の間食食品は食品の形状が限られている.本研究では,スクロースを使用せず糖アルコールを含有した食品を作製し(H製品),う蝕誘発性の評価を行うために市販製品を対照として,酸発酵性試験,菌体外糖質量測定,バイオフィルム形成量測定,被検微生物の増殖抑制効果の測定を行った.その結果,Streptococcus mutansやStreptococcus sobrinusを用いた酸発酵性試験では,H製品群の酸発酵性は低く(pH5.7〜6.5),臨界pH5.5以下に下げなかった(P<0.05).さらにS.mutansを用いた菌体外糖質量測定でも,コントロール(5%スクロース)の34μg/mlに対し,H製品群は2.2〜6μg/mlと著しく低い値を示した(P<0.05).また,S.mutansを用いたバイオフィルム形成量は,H製品群はコントロールに比べて著しく低く,Candida albicansについても同様に低い値を示した.S.mutansやC.albicansを用いた増殖抑制効果では,H製品群において増殖抑制が認められた.以上の結果から,H製品はう蝕予防だけでなく,カンジダ症に対しても有効な予防食品となりうることが示唆された.
2009-01-30