高齢者福祉施設入所者の住居変遷と生活支援に関する研究 : 軽費老人ホーム入所者の住生活史の分析から
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概要
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本研究では、高齢者福祉施設入所者の人生における「すまい」に着目し、施設入所者の住生活史(住居の変遷)を明らかにすることによって、施設生活におけるアイデンティティの保持や入所者の考え、想いを理解し、高齢者福祉施設における生活支援について検討することを目的とした。調査方法は半構造化インタビューを行い、入所者が語った人生の中での生活と「すまい」の関係性について分析した。その結果、入所者の住生活史からは(1)出生地は長崎で持ち家がほとんどである、(2)家族構成は概ね6人以上で、10人前後と多い、(3)結婚後はアパート、借家、持ち家と住居が様々である、(4)離婚の時期は20歳代から40歳代が多い、(5)20歳代前後から50歳頃までの転居が多い、(6)終の住処は出生地である故郷を望む人がほとんどである、(7)施設入所年齢は60歳代後半からであり、特に75歳〜80歳の間が多い。(8)男性入所老け女性入所者に比べ、「すまい」を不動産として継承したいと考える気持ちが強いことが伺えた。これらの背景をもっか施設入所者の生活支援については、それぞれの生活背景や人生の中で培ってきた考え(生活価値)を尊重する支援が必要であると考えられる。
- 長崎純心大学・長崎純心大学短期大学部の論文
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