保育園・幼稚園における発達障害児の実態調査および専門機関による巡回相談の現状 -N市とT市を中心に-
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概要
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近年では、どこの保育園・幼稚園にも軽度の発達障害児が在籍しているといわれている。しかし、その実態に関する我が国での調査は数少ない。発達障害の実態を明らかにすることは、早期支援・保育支援を進めていくためには重要である。そこで本研究においては、愛知県内の主要都市であるN市とT市における発達障害児の実態調査と、先行研究の分析を行った結果、以下の点が明らかとなった。1.愛知県の主要都市における保育園・幼稚園には、2.0〜4.5%の発達障害児とその疑い児が存在している。また、全国調査によると、その率は5.3%であった。またその大多数が高機能自閉症であった。2.障害を疑う契機になった行動は、コミュニケーションの問題、集団不適応行動、友人関係のトラブルなどであった。3.発見後の専門機関の利用については、40〜50%が躊躇していた。その理由は、保育者が障害であるとの自信が持てない、家族への配慮、家族の抵抗などであった。4.巡回相談については、公立・私立、幼稚園・保育園によって、現状は異なっていたが、大半の園が外部の専門機関による支援を希望していた。特に私立幼稚園については、長い間地域療育システムから外されていたという不自由な状態が続いてきたが、本年度から巡回相談が開始された。今後は、私立幼稚園をも含めた地域療育システムの構築、専門機関との連携が強く望まれる。
- 2008-12-20
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