近自然水路工法における堆砂と水草の再生
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概要
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玄手川は、庄川扇状地の扇端に位置し、地域の農業用排水路として利用されているだけでなく、豊富な湧水があるので、貴重な水生植物が生息している。水路底の改修にあたっては、維持管理と生態系保全の両面に配慮した近自然工法が採用された。施工後、中流部の延長800mで、堆砂と水草についてモニタリングを行った。堆砂量全体は経年的に減少し、また区間別では下流に行くにしたがって少ない傾向にある。植被率は施工後5・6年で施工前の極相状態にまで回復し、その後も維持されている。しかし、優占種であるナガエミクリの率は堆砂と同様下流に行くに従って少ない傾向にある。ナガエミクリと堆砂量とは、相関があるように思われる。いずれにしても、近自然工法の施工後11年経過した今は、植被率については施工前の状態を維持しており、堆砂量は年々変化しているが、ナガエミクリを除き植生全体には大きな影響を与えてはいない。
- 富山県立大学の論文
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