教育信仰の曙光 : 17世紀末期のニューイングランドにおける知の変容
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概要
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17世紀のニューイングランド・ピューリタンのしつけ・説教などは,世界にさきがけて設けられた一つの近代的な制度すなわち規律化の装置であり,子どもを無窮の自己更新にかりたてる政治的な技法であった。この規律化装置を支えていたものは,契約神学がコード化した道徳化可能性であり,また個人の行為の制限(規律化)は個人の意志の自由(選択)によって正当化されるという考え方である。しかしこの規律化は,まだ救済の手段という位置にあり,救済に対抗するほどではなかった。この規律化が救済に対抗するほどの意義を認められた時期は17世紀後期であり,エピステーメのシフト,すなわちリアリズムからノミナリズムへという重心移動とともに,実践が行為/意志に分節され,言語が解釈の道具に変わった時である。<教育はよいもの>という教育信仰の端緒は,ここにみいだせる。
- 駒澤大学の論文
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