从〓知語言学的角度解釈現代〓語語法
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概要
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本稿は、これまでの現代中国語文法研究においてしばしば議論され、複数の学説があるいくつかの問題に就いて、認知言語学の研究手法を用いて分析、解釈するとともに、中国語母語者の思考回路を明らかにすることを試みるものである。認知言語学は言語が話者の外界認知方式や思考の表われであると考え、何故そのように言うのかを解明しようとする学問である。例えば、中国語では「トイレへ行く」「台所へ行く」はそれぞれ"上〓所""下厨房"と言い、行く場所によって「行く」という動詞の部分を"上"と"下"に使い分けている。この現象を認知言語学的視点から見るに、中国語母語者が家の主や客人も行くトイレは家の中の高いところ、婦人や使用人しか行かない台所は同じ家の中でも低いところに位置していると考えているからと解釈される。また、中国語にも日本語にも"〓〓"(売買)"男女"〈男女)といった2つの形態素を並列して構成する語があるが、"〓白"(白黒)"猫狗"(犬猫)のように中国語と日本語で形態素の並ぶ順番が違うものがある。これは、中国語の並列式2音節語が声調に基づいて形態素を並べるからである。中国語は"〓""猫"はともに第1声、"白""狗"はそれぞれ第2声と第3声であり、中国語母語者が第1声、第2声、第3声、第4声の順で形態素を並べていることがわかる。この声調遵守の法則により、「南北」は中国語では第2声の"南"凶を前、第3声の"北"を後ろに置いて"南北"と言うが、朝鮮半島の南北に就いてだけは"朝鮮北南〓系"(朝鮮の北南関係)と言う。これは、北朝鮮(朝鮮民主主義人民共和国)が朝鮮戦争を共に戦い、同じく共産党一党独裁を堅持する中国にとっての友好国であり、1992年に韓国(大韓民国)と国交を樹立するまでは朝鮮半島には北朝鮮1国しかないと考えていたことの表われだと分析できる。現代中国語文法は中国語母語者が外界を認知するときの規則を具現化したものであり、認知言語学の研究手法を用いて現代中国語にアプローチすれば、これまでの研究で解明できなかった現象の説明も付くことになるだろう。
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