重い核でのπ中間子軌道運動と吸収効果
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概要
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μ中間子原子と異なり、π中間子原子では原子核との強い相互作用の効果で結合エネルギーのずれや核による吸収効果に伴う幅のひろがりが顕著に見られるが、最近、東大理学部のグループにより重い原子である鉛での2P軌道が観測できることが示された。これは、Pb(d、^3He)反応の直接過程で深い軌道へのπ中間子原子を作るものだが、いまのところ理論計算は、π中間子-原子核間ポテンシャルの斥力効果により吸収が非常に弱く、従って、軌道の寿命が充分長いと仮定してなされている。そのため全体のスペクトルを説明することが困難である。ここでは、包含的(d、^3He)反応を、核表面で生成されたπ中間子の核による吸収が非常に強いとすることによって、無理なく説明できることを示す。
- 和歌山県立医科大学の論文
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