π中間子吸収機構と軽い核のクラスター構造
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概要
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(3,3)共鳴領域でのπ中間子の原子核による吸収機構は、主に二核子吸収であり、三核子以上が直接吸収に関与する可能性は小さいことを、我々はこの数年来KEKでの一連の実験により示してきた。1992年にLAMPFから発表されたRansome達によるπ中間子吸収から放出された陽子を大立体角のBGO検出器システムを用いて測定した結果は、入射エネルギーや標的核によって陽子のスペクトルが複雑に変化することを示した。この事実はこれまで広く信じられてきた1)核子の核内における長い自由行程、2)高い多核子(≧3)吸収の確率などの仮定では説明することが困難であり、むしろ我々が主張してきた短い自由行程と圧倒的に主要な二核子吸収によって説明できることを示す。
- 和歌山県立医科大学の論文
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