鍼灸治療を継続した網膜色素変性症の一症例

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概要

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網膜色素変性症と診断された男性患者に、1991年から2008年にかけて、17年間、年平均20回の割合で、のべ341回の鍼灸治療を行い、その症状経過について分析した。主訴である視野の狭窄は改善せず、症状は徐々に進行していた。しかし、現在、右眼の視野は5度以下ではあるが存在し、一人で歩行が可能である。網膜色素変性症の症状についての進行は個人差があり、鍼灸治療の効果の有無を比較検討することは出来ないが、目の疾患でよくみられる肩こりや他の不定愁訴等は現れていない。月平均2回のペースで現在も鍼灸治療を行っているが、初診来院時(1991年)、視力の低下、視野狭窄とも進行していたことから、もっと早期から治療を開始しておれば、また、鍼灸の治療頻度(回数)を、早期の段階で多く試みておれば治療効果に差がでたかも知れないとも考えられた。今後、網膜色素変性症の症例において積極的な鍼灸治療への取り組みと鍼灸治療に関する症例の蓄積が望まれる。
関西医療大学の論文

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