沖縄県有人離島の類型化と高齢者の地域ケアシステム構築の方向性

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【本研究の目的】沖縄県の離島について、地域特性を「不利性」から「有利性」で捉え直し、市町村行政との関係で類型化を試み、公助・互助・自助の視点から、高齢者の地域ケアシステム構築にむけての課題を明らかにすることである。【対象】「沖縄振興開発特別措置法」に規定する指定離島39島中(2000年12月末現在)、架橋等で陸路が確保されている島、人口10人以下の島、高齢者1人の島を除く27島24市町村である。【方法】平成13年1月〜2月の期間に、「高齢者の介護と実態把握及び基盤整備等調査票」を作成し、離島を有する市町村の介護保険等担当職員に送付し、島ごとの状況について回答を依頼した。【結果及び考察】1)地域特性から捉えた有利性:離島の特徴としての"狭小性"、"孤立性"、"隔絶性"は、生活の地域把握や情報共有の容易性であり地域ケアの推進の可能性である。「互助」の高さは、物的・人的資源の活用、「公助」の弱さは、多面的な人材活用で補強し、「自助」の弱さは自助努力の必然性とも位置づけられる。このように「不利性」を「有利性」に捉え直した時、「困難性」は「可能性」に変化し、従来の「不利性克服型」ではなく、新たな「有利性伸展型」の地域ケアシステム構築の可能性が導ける。 2)沖縄県離島の類型化と地域ケアシステム構築の課題:(1)1島1市町村型の課題は、「公助」への期待、(2)多島1町村型は「互助」への期待、(3)1島多市町村型は、島内市町村の協働体制の強化、(4)主島近接型は島外の力量を期待となった。 3)離島の類型化による結果は、地域ケアシステム構築の多様なあり方を示唆している。離島の高齢者の地域ケアシステム構築は、「公助」や「自助」に加え、地域特性を反映する「互助」を重視することが重要と考える。
沖縄県立看護大学の論文

沖縄県有人離島の類型化と高齢者の地域ケアシステム構築の方向性

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