都市地域における在宅要介護高齢者の健康と食生活に関する研究 : 在宅サービス特に食事サービスとの関連を中心に

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1. 健康状態・食生活・在宅サービス (食事サービス) 利用の実態 1) 健康状態 : 原因疾患は, 脳卒中が最も多く, ADLでは, 食事が自立している人が約9割である。要介護度は, 軽度な者が約7割を占めていた。その他の身体状況では, 体重の変化においては, 約3割の者に体重の減少がみられ, 便秘がある者は4割台である。2) 食生活 : 摂食状況では朝食の欠食率が1割みられる。食事形態では, 粥・刻み・流動食という者が半数である。食品摂取頻度では, 蛋白質源食品群では「ほとんど毎日+週に4〜5回」の割合が, 牛乳・乳製品, 大豆・大豆製品で約7割, 魚類で5割台, 卵類で4割台, 肉類で約2割である。ビタミン・ミネラル源食品群では, 同割合は果物で約6割, 緑黄色野菜, 淡色野菜で約4割である。3) 在宅サービス (食事サービス) : 訪問介護 (調理) 利用者は1割弱である。通所サービス利用者は4割強である。配食サービス利用者は約2割の者である。2. 食生活をめぐる諸要因 1) 蛋白質源食品群の平均摂取得点は, 家族構成では単身世帯で低い。逆に, 同得点は, 朝食, 夕食を欠食しない者ほど, 食事時間が規則的である者ほど, インスタント・調理済み等食品の摂食頻度が低い者ほど高い。さらに同得点は, 毎日良く眠るほど, 便通がある者ほど高い。ビタミン・ミネラル源食品群の平均摂取得点は, 朝食・夕食を欠食しない者ほど, 食事時間が規則的である者ほど高い。同得点は, 食事形態では, 流動食において普通食より低い。さらに同得点は, 自分の歯でかむ者ほど平均摂取得点は高い。2) 通所サービス・配食サービスの利用者ほど蛋白質源食品群・ビタミン・ミネラル源食品群の平均摂取得点は高い。3. 健康状態 (ADL, 体重変化) を規定する要因 1) ADLは, 要介護状態が軽度では, 朝食を規則的にとる者ほど, 朝食を欠食しない者ほど, ビタミン・ミネラル源食品群の平均摂取得点が高い群ほど高かった。また, 重度では, 食欲が旺盛または普通である者ほどADLは高かった。2) 体重の変化は, 要介護軽度では, 食欲が旺盛または普通である者ほど, 配食サービスを利用している者ほど減少しない方向にあった。また, 重度においては, 女性ほど, 80歳以上ほど, 単身ほど, 減少の方向にあった。一方, 食欲が旺盛または普通な群で, 配食サービス及び通所サービスの「あり」ほど, 減少しない方向にあった。
2003-12-01

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