虚血性心疾患患者の運動の継続に影響する要因の検討

概要

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本研究は,PRECEDE-PROCEED MODEL (Green & Kreuter, 1991)の構成概念である前提要因・実現要因・強化要因を参考として,虚血性心疾患患者を対象に長期的な運動の継続に影響する要因を検討することを目的とした。過去に虚血性心疾患を発症し現在もその治療を受けている者9名(男性7名,女性2名)を対象に面接調査を行い,得られたデータは質的な内容分析を行った。対象者の平均年齢は66.0歳であった。逐語録から抽出されたデータは413件で,これらは運動の継続に影響を及ぼす前提要因・実現要因・強化要因に分類された。本研究においては,虚血性心疾患患者の長期的な運動の継続に影響を及ぼすものとして様々な要因が見出され,前提要因としては,6つのカテゴリー<運動に関する知識><運動への自己効力感><運動への結果期待><医師による統制感><自己による統制感><運動の好み>が抽出された。また,実現要因としては,3つのカテゴリー<運動の実行しやすさ><運動する機会・場所があること><運動と身体を調整する技能>が抽出され,さらに,強化要因としては,4つのカテゴリー<運動に対する周囲の支援><適度な運動の体験的理解><運動に対する充足感><運動による報酬>が抽出された。