People-Centered Care : 概念分析
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概要
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本研究の目的は,Rodgers (2000)が提唱する概念分析アプローチを参考に,People-Centered Careという概念を明らかにすることである。研究データとなる文献は,CINAHLを中心としたデータベースから収集した。分析は,Rodgers (2000)の概念分析方法を基に行い,People-Centered Careの概念の定義,属性,先行要件,帰結について検討した。概念分析の結果,People-Centered Careの属性は,1)人々が主体であること((1)人々に焦点を当てること,(2)人々を巻き込むこと),2)健康増進を目標としていること,3)コミュニティとの協働であった。先行要件は,1)健康や社会に関連した問題,2)ケア提供者と消費者の役割変化であった。帰結は,1)コミュニティの発展((1)エンパワーメントの高まり,(2)コミュニティにもたらされる利益),2)ヘルスケアの質の向上・健康増進であった。そして,People-Centered Careの定義については,明確に論じている文献が認められなかった。本研究の結果から,People-Centered Careとは,「人々が主体となり,専門家と協働しながらコミュニティにおける健康を増進していくこと」と定義できると考えられた。更に,運動療法に取り組む虚血性心疾患患者におけるPeople-Centered Careについて考えると,それは,医療の専門職者が,地域の人々と協働しながら,虚血性心疾患患者がコミュニティにおいて主体的に心臓リハビリテーションに取り組めるような環境を整えることであると推察された。
- 聖路加看護大学の論文
- 2004-06-23