精神看護学演習におけるサイコドラマの教育的効果 : ドラマ体験に見られた感情と気づきの形成
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概要
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本研究は、精神看護学演習において看護学生のコミュニケーション能力を培うために演習に心理劇を用いることの意義について検討した。臨床経験の豊富な看護者が監督者になって行った心理劇体験後に、学生のレポートを分析した。その結果、記述内容から45のカテゴリーが抽出された。心理劇体験の過程において、演習開始時学生は、戸惑いや不安を感じていた。ウォームアップの段階では緊張も解け、劇を受け入れる態勢になった。更に「過去の特別な記憶」「こころの内面」の2つのドラマ(劇化:アクション)とシェアリングの進行と共に次第に没入し、振り返りによる自己理解から、他者との向き合い、気づきによる共感、他者理解へと意識が深化していた。看護を展開するのに必要とされる相手との関係に関心を寄せ続ける能力を育成し、精神看護に必要なコミュニケーション技術を習得するためには、心理劇体験での効果を生かした学習支援が必要と考える。
- 2008-06-30
著者
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