「デジタルアーカイブ」における永久保存の概念(セッション2 特集セッション「アーカイブズとデジタル技術の未来を考える」(2))
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
「デジタルアーカイブ」が一定ていど普及してきた一方で,本来のアーカイブ(ズ)は,まだひろく理解されたとはいいがたい.本来のアーカイブ(ズ)の中心となる概念は,「永久保存」にある.しかし,デジタルアーカイブを標榜する存在のなかに「永久保存」性は,ほとんど見出すことはできない.小稿では,デジタルアーカイブのなかに永久保存の概念を見出すことは,そもそも可能かどうか,本来のアーカイブ(ズ)のもつ基本事項を検討していくことで,議論を進めていく.それにより,つぎの結論が暫定的に導かれると予想する:現前するデジタルアーカイブに永久保存を期待することはできないものの,デジタルアーカイブのもととなるアーカイブズの実体の永久保存(または長期保存)を担保する配慮を組み込むことが,デジタルアーカイブへの永久保存の概念の導入となりえる.
- 一般社団法人情報処理学会の論文
- 2008-07-18
著者
関連論文
- アーカイブズ情報の電子化・保存と共有化の動向(第12回情報知識学フォーラム「情報の発掘と再生」)
- EADによる電子的検索手段のデータ記載形式 : いくつかのEAD最良実践ガイドラインから(第13回(2005年度)研究報告会講演論文集)
- 近世(日本)
- 地域研究コンソーシアム情報資源共有化研究会第2回海外調査報告
- パネル討論「アーカイブズとデジタル技術の未来を考える」(1) : 公文書のデジタルアーカイビングをめぐって
- データベース共有におけるデータマッピングの事例的研究
- 1990年度史料館講座参加記
- アーカイブズにおけるXML化 : 組織体の知識管理の背景として(第9回SGML/XML研修フォーラム「電子自治体とXML」)
- 日本のアーカイブズ管理におけるEAD・EAC : XMLによる実践の可能性
- パネル討論「アーカイブズとデジタル技術の未来を考える」(2) : アーカイブズの概念とデジタルアーカイブ(セッション2 特集セッション「アーカイブズとデジタル技術の未来を考える」(2))
- 「デジタルアーカイブ」における永久保存の概念(セッション2 特集セッション「アーカイブズとデジタル技術の未来を考える」(2))
- 記録史料管理におけるデータベース構築--情報共有の技術的側面をふまえた協業の提案 (特集 戦後東アジアにおける人の移動と20世紀史の再展開--一九四五〜一九五五年を中心に)
- EADを実装したアジア歴史資料センター新情報システムによせて--EADの概要とアジ歴への期待 (特集 デジタル・アーカイブによる歴史事実の共有 アジア歴史資料センター5年の回顧と展望) -- (アジ歴のデータベース)
- 日本の記録史料記述EAD/XML化と記録史料管理 : 記録史料管理過程におけるEAD利用の位置をめぐって
- XMLを利用した史料記述の可能性 : 「国際標準 : 記録史料記述の一般原則」ISAD(G)第2版とデータベースをめぐって(情報知識学会 人文・社会科学系部会主催 : 第16回 歴史研究と電算機利用ワークショップ)