ニーチェの思想における健康の概念が現代の健康観に示唆するもの : キリスト教批判の視点から
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概要
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ニーチェはその著作のなかで「健康」と「病気」というキーワードを一貫して使用するが、それはWHOの提唱する健康概念をはじめとする一般論とはかけ離れたものである。彼の健康観はきわめて主観的でありながら同時に動的で多義的であるが、その根本には常に「生」の問題が存在している。「健康」と「病気」という概念は、宗教的カテゴリーの中で、また道徳的価値観の中に位置づけられてきた歴史が長い。ニーチェの否定したものは、思想としてのキリスト教ではなくキリスト教における「彼岸主義」と「生悲観論」であると考えられる。本稿では「健康」と「病気」という2つのキーワードをたどることで、ニーチェの「破壊的」かつ「攻撃的」な哲学に内在する、「生」に対する愛情と「生きる」ことへの強い意志の存在を明らかにしながら、現代の健康至上主義について、ニーチェが示唆するものを考える。
- 2006-09-25
著者
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