保健師を志望する学生の"地域看護活動"の認識度と進路選択への動機づけ
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概要
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現在、地域保健に関する施策がさまざまに検討される中、地域に根ざす保健師活動も、保健、医療、福祉、特に在宅福祉と行政を連結するパイプ役といった役割も要求されるようになった。また、その就業場所も時代とともに多様化してきている。保健師を目指す学生が、それらの現状をどの程度理解し、また、認知度と志望動機はどのように結びついているのかを知るため、半構成面接による調査を行った。その結果、保健師を志望する看護学生の半数は、「地域保健」や「保健師」をキーワードとした明確な目的意識を持っていたが、残りの半数は、「看護師との比較から」、または、「無目的・資格指向」という曖昧な志望動機であった。目的意識をもっている学生の方が、保健師に関する認知度が高かったが、その差はわずかであり、多くの学生は「保健師」を志望しているにもかかわらず、保健師活動や地域看護の現状についての認知度は低く、多くの知識を持っていないことがわかった。保健師志望の学生のほとんどが、保健師と接したことも活動を見たこともない、という現状を考えると、短期大学における3年のカリキュラムの中で、「保健師」という職種についての知識を与え、「地域看護」に関する情報を提供していくことは、学生が進路を選択していく上での必要事項であり、ひいては、「地域保健」において明確な目的意識をもった人材を育成するためのひとつの手段であるといえる。
著者
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