予防医学としてのグリーフケア : 地域看護活動を拠点に
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概要
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「愛する者の死」は、遺された家族にとって大きなストレスであり、それは「健康障害」の原因のひとつとなる。その予防のためには、正常な悲嘆反応を促し、異常な悲膜反応を早期に発見し治療につないでいくことが必要である。一部の医療施設では、遺族のためのケアがはじまっているが、医療機関におけるケアの対象は「疾病をもつ患者本人」であり、遺族のケアが継続的に行われるには限界がある。またグリーフケアを実際に行っている医療施設は少ないため、ケアを必要とする遺族の要求に十分に答えられていない現状がある。公衆衛生看護の目的は、疾病の一次予防とヘルスプロモーションである。「悲嘆」が疾病のリスクであり、「健康障害(疾病)」の原因であるならば、グリーフケアは「公衆衛生看護」の目的のひとつである。今後、地域におけるグリーフケアを充実していくことが期待され、そのために、保健師は、地域住民や関連職種と連携をとり、家族を含めたグリーフケアを提供していく役割を担っているといえる。
- 2005-03-30
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