聾学校高等部生徒の日本語の語彙指導における手話使用の効果
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概要
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本研究は、聾学校高等部生徒20人を対象として手話を使用した日本語の語彙(名詞、形容詞、形容動詞、動詞、副詞)指導を行い、その効果を学習者の属性との関連において検討したものである。指導条件には、文字・音声条件という従来の口話法に該当する方法と、手話条件という2つの条件が設定された。指導の後、事後テストを実施した。その結果、成績の特徴から学習者を4つのグループに分類できることがわかった。4つのグループとは、手話条件においてのみ事後テストの得点に向上がみられたグループと、両条件とも得点が高かったグループ、文字・音声条件においてのみ得点が高かったグループ、両条件においても、得点が低かったグループである。また手話表現能力が高い者に手話の使用が有効であった。さらに手話を利用することは、活用しない語と活用する語の語幹の学習を促進することがわかった。
- 日本特殊教育学会の論文
- 2003-09-30
著者
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