言語発達遅滞児の語文の再生能力に関する実験的研究
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概要
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本研究は、文を短期間に記憶させて再生させることにより、言語力が測定できるか否かを検討することを目的とした。文を短期に記憶するときには規則によってchunk化して記憶すると考えた。そして文は句構造規則によって規定された階層的な構造で成り立っていると仮定して、語数4〜6で枝わかれ図の階層が2〜3の計15文を実験材料とした。被験者は言語発達遅滞児と正常児とし、言語力の差を検討することを試みた。被験者に文を聴取させて直後に口頭で再生させた。その結果、正常児の再生率は73%、遅滞児の再生率は46%で有意な差があった。また、階層数や語数が増すに従って、文の再生率は下がった。この結果より仮説が正しいことが示され、言語力を文を再生させることによって測定できること、その場合に文の複雑さを語数と枝わかれ図の階層数によって規定できることが明らかになった。
- 日本特殊教育学会の論文
- 1976-03-15
著者
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