重粒子線治療(<特集>定位放射線治療の現状と展望)
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概要
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目的:頭蓋底・傍頸髄腫瘍および中枢神経系腫瘍に対する炭素イオン線第I/II相臨床試験の途中解析を報告する.方法:頭蓋底・傍頸髄腫瘍では,炭素イオン線単独で16回/4週,中枢神経系腫瘍では,び慢性星細胞腫に対し炭素イオン線単独で24回/6週,悪性グリオーマに対しX線および抗癌剤治療を併用し,炭素イオン線で8回/2週の線量増加を行った.治療効果:すべての臨床試験において,急性および遅発性有害事象の大半は軽微であり,予期せぬ重篤な副作用は出現していない.頭蓋底・傍頸髄腫瘍の線量別にみた5年局所制御率は,48GyEで75%, 52.8GyEで67%,57.6GyEで78%,60.8GyEで88%である。び慢性星細胞腫の線量別にみた5年progression-free survival (PFS)は,50.4GyEで11%,55.2GyEで80%である.悪性グリオーマに対するX線および抗癌剤併用炭素イオン線治療では,退形成性星細胞腫16例のPFSの中央値(median PFS: m-PFS)は18ヵ月,膠芽腫32例は7ヵ月であった.結論:線量増加に伴い治療成績が向上する傾向が示されている.この結果から,悪性グリオーマは2002年4月から炭素イオン線単独第I/II相試験が開始し,頭蓋底・傍頸髄腫瘍は2004年4月から先進医療へ移行している.
- 日本脳神経外科コングレスの論文
- 2008-06-20
著者
-
溝江 純悦
放射線医学総合研究所 重粒子医科学センター病院
-
長谷川 安都佐
放射線医学総合研究所重粒子医科学センター病院
-
辻井 博彦
放射線医学総合研究所重粒子医科学センター病院
-
辻井 博彦
放射線医学総合研究所重粒子医科学センター
-
辻井 博彦
放医研・病院部
-
溝江 純悦
放医研重粒子治療センター治療診断部
-
辻井 博彦
放射線医学総合研究所 重粒子医科学センター病院
-
辻井 博彦
放医研・重粒子治療センター病院
-
辻井 博彦
千葉大学 大学院医学研究院腫瘍内科学
-
溝江 純悦
放射線医学総合研究所重粒子医科学センター病院
-
溝江 純悦
放医研・重粒子線治療センター治療診断部
-
辻井 博彦
放射線医学総合研究所
-
Tsujii Hirohiko
Inst. Of Clin. Med. Univ. Of Tsukuba
-
Mizoe Junetsu
Research Center For Charged Particle Therapy National Institute Of Radiological Sciences
-
辻井 博彦
放射線医学総合研究所 重粒子線医科学センター
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