ウォーターフォールモデルに基づく情報システム開発における成果物の品質管理手法について(情報システムの開発と運用,<特集>社会的課題に挑む情報システム)
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概要
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今日の高度情報化社会では,情報システムの障害による業務・サービスの停止や機能低下は,社会活動に深刻な影響を与えている.その一方で,情報システムの高機能化・大規模化・短納期化など,品質確保を難しくする要因が増大しており,体系的な手法に基づく品質管理の必要性が高まっている.本文は,ウォーターフォールモデルに基づくシステム開発における設計およびテスト工程での成果物の品質管理手法について論じている.この手法の特徴は,工程をまたがる成果物の網羅性を確認する手段を提供していることである.上流工程での成果物が下流工程に引き継がれていることを確認するために"トレース関連"という概念を導入する.要件定義および設計工程での成果物は,木構造で表現できる.そのため,"設計工程のトレース関連"を上流工程の成果物の木構造と下流工程の木構造との写像として定義する.一方,テストは,設計工程での成果物とテストケースの組合せで実施される.この組合せを,設計工程の成果物の木構造とテストケースの集合との写像として定義し,これを"テスト工程のトレース関連"と呼ぶ.トレース関連をグラフ理論に基づいて定義し,各工程での品質管理基準について論じる.また,本文で定義したトレース関連をシステム開発における事例に適用し,成果物の網羅性を確認する手段としての有効性を検証している.
- 一般社団法人情報処理学会の論文
- 2008-02-15
著者
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