グリーフケアの実践と展望
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
悲しみとグリーフケアについては現在の日本ではまだ、議論しにくい分野である。そこでまずグリーフ研究の動向の実際を確認した。国外では既にピーク時を過ぎ現在は横ばい状態にあるが、国内の場合は増加傾向にある。次にケアの方法論的課題についての留意点をあげ、研究者に求められる視点について言及した。次に今後の展望として、ケアニーズと提供者についてふれた。ケアは情報的、道具的、情緒的そして治療的介入に分類できるが、医療者による提供は、主に情緒的と情報的サポートとなる。共感を持って接することと、緊急度合を見分ける知識と他機間の紹介が主となる。またケアの実際の基本では感情の表出を促し、悲嘆に寄り添って行くことである。最後に病的悲嘆についてのべた。病的悲嘆とは基本的には、程度の強さと期間の長さの異常により社会・生活機能の障害が認められた場合とされる。本来、悲嘆とは正常悲嘆であるが、対人相互の関係と高度な記憶認知の機能が関与し、さらに精神身体機能や社会システムによる影響が付加し、病的な状態に発展する。よって、抱括的に把握して対処して行くことが治療の基本となる。
著者
-
坂口 幸弘
関西福祉科学大学健康福祉学部
-
田子 久夫
福島県立医大精神神経医学
-
田子 久夫
福島県立医大神経精神科
-
田子 久夫
福島県立医科大学
-
宮林 幸江
宮城大学看護学部
-
宮林 幸江
宮城大学 看護学部
-
坂口 幸弘
関西福祉科学大学
関連論文
- 寓話(アレゴリー)の作成による遺族の死生観の明確化 : 現代遺族の抱く輪廻転生観
- 4.配偶者の死別反応 : 自責と怒りについて : アクションリサーチの過程を活かした記述の分析
- 家族を支え続けたい! ナースが寄り添うグリーフケア
- 家族機能認知に基づく死別後の適応・不適応家族の検討
- グリーフケアの実践と展望
- 13.死別後の「立ち直り」と精神的健康-配偶者と子どもの比較-(一般演題)(第24回 日本心身医学会近畿地方会 演題抄録)
- 12.末期がん患者はどのように死に向かい合っているのか?(一般演題)(第24回 日本心身医学会近畿地方会 演題抄録)
- IH-18 配偶者との死別後の精神的健康と家族タイプ(ターミナルケア)
- IH-17 末期がん患者の認知的過程の評価(II)(ターミナルケア)
- IH-16 患者と医師の役割の違いが, がん末期の治療選択行動に及ぼす影響について(ターミナルケア)
- 12.末期患者に精神的安楽をもたらす家族, スタッフの関わりについての検討(第23回日本心身医学会近畿地方会演題抄録)
- C-12-31 末期がん患者の認知的過程の評価(1)(メンタルヘルス)
- わが国のホスピス・緩和ケア病棟における遺族ケアの提供体制の現状
- 末期がん患者のホスピス入院期間と急変による死が遺族の精神的健康に及ぼす影響
- 9.脊椎・脊髄疾患に対するリエゾン精神医学的アプローチ(第4報) : 整形外科患者に対する精神医学的問題評価のための簡易質問票(BS-POP)の使用例(第53回 日本心身医学会東北地方会 演題抄録)(学会報告)(地方会抄録)
- 巻頭論稿 家族の死がもたらすストレス--地域に期待されるグリーフケア (家族に対するグリーフケア--地域ケアシステムの構築に向けて)
- 死別後の適応とその指標 (焦点(1)喪失と悲嘆の行動科学)
- グリーフケアアドバイザー--遺族に寄り添う仲間を増やす
- 遺族のためのグリーフケア (特集 在宅ターミナル--逝く人の支援を考える)
- 全国調査にみるホスピス・緩和ケア病棟の遺族ケアの現状と課題 (特集 遺族のためのグリーフケア--私たちにできること)
- コミュニティの中のグリーフケア--ワークショップによるグリーフケア (特集 遺族のためのグリーフケア--私たちにできること)
- グリーフケアの考え方をめぐって (特集 遺族のためのグリーフケア--私たちにできること)
- 我が国における'もの忘れ外来'の現状と今後の展開 (アルツハイマー病--基礎研究から予防・治療の新しいパラダイム) -- (社会的対応)
- 脳波・筋電図の臨床 非認知症高齢者と比較した認知症患者のERP所見
- 痴呆のための病診連携のとり方 (特集 ホームドクターのための痴呆診断のコツ)
- 精神科における「もの忘れ外来」 (特集 わが国におけるもの忘れ外来の現況)
- IIB-36 ラット脳におけるブチルコリンエステレース陽性神経の組織化学
- ID-10 Bicucullineによる扁桃体Chemical Kindling
- 正弦波治療器を使用した修正電気けいれん療法(m-ECT)の臨床経験-術中脳波による刺激用量の設定の工夫,けいれん閾値と治療反応性の関係
- 15.精神科紹介となった術後せん妄患者について(第33回日本心身医学会東北地方会演題抄録)
- II-D-8 術後せん妄の治療と予防について : コンサルテーション・リエゾン精神医学の立場から(リエゾンI)
- 226. 摂食障害患者に対する集団精神療法的アプローチの試み(第二報) : 宿泊セミナーの経験(摂食障害IV)
- II-B-18 ラットの扁桃核キンドリングによる脳内Cyclic AMPとCyclic GMPの持続的な増加
- 地方都市の大学病院 (特集 もの忘れ外来の現況)
- 老年期うつ病の治療--新しい抗うつ薬を中心に (特集 老年期発症の気分障害)
- 医療と介護 : 1. 専門病院と実地医家との連携
- 福島県立医科大学を核とする卒後臨床研修プログラムの中の必修精神科研修プログラム (新・必修精神科研修プログラム(2)主要病院における研修プラン)
- アルツハイマー病様症状で発症し,急激に死に至ったクロイツフェルト・ヤコブ病の一例
- B-31 ラット大脳皮質前頭内側部に投射するプチルコリンエステレース陽性神経線維
- コリンエステラーゼの高感度簡易染色法
- アルツハイマー病前頭葉皮質アセチルコリンエステラーゼ含有構造の組織病理学的研究
- ホスピスにおける末期ガン患者の精神的安楽と家族,スタッフの関わり
- 診断センターとしてのもの忘れ外来を考える--MCIに対するフォローまでを俯瞰して もの忘れ外来--早期発見に向けた役割と地域との連携 (アルツハイマー型痴呆の診断・治療と患者・家族を考える--アルツハイマー型痴呆研究会 記録) -- (トラックセッション3 痴呆症診断における問題点を考える)
- II-E-50 Panic disorderの慢性例 : その遷延化因子について(精神科II)
- IID-3 けいれん誘発物質db-cAMPの選択的細胞体障害作用について
- II-C-2 高感度なAchE酵素組織化学
- 死因の相違が遺族の健康・抑うつ・悲嘆反応に及ぼす影響
- 福島県立医大附属病院における後期研修プログラム(専門医コース)について (特集 精神科専門医取得のための研修にかかわる問題点)
- 軽度-中等度のアルツハイマー病患者におけるP300潜時の性差の検討
- 高齢者におけるP300成分の加齢変化と性差の検討
- 一般成人を対象としたデス・エデュケーションに関する意識調査--学校現場で生と死を教えることについて
- 配偶者喪失後の対処パターンと精神健康との関連
- 調査報告 配偶者/親喪失後の精神健康と家族の関係性
- 認知症の診断の進め方--家族からの情報を含めて (特集 プライマリ・ケア医のための認知症の早期診断・治療) -- (認知症の診断)
- 地域連携の実際 大学の専門外来と行政の連携から地域ネットワーク構築を考える (アルツハイマー型認知症の実地診療の課題を考える--アルツハイマー病研究会 記録) -- (トラックセッション3 専門医に求められる地域連携実践講座--認知症になっても安心して暮らせる仕組みの実践)
- 診断ガイドライン (アルツハイマー型痴呆の診断・治療・ケアガイドライン)
- 家族--残された遺族のケア (特集 生きる力--自殺を防ぐには)
- 福島県立医大附属病院における後期研修プログラム (専門医コース) について
- 養護教諭を対象としたデス・エデュケーションに関する意識調査--学校現場で生と死を教えることについて
- 喪失に対する意味了解と生活・人生志向対処が遺族の精神的健康に及ぼす影響
- 投稿 一般病棟での看取りの看護における看護師のストレスと感情体験
- 死別後の精神的健康に及ぼすソーシャルサポートの効果 : サポート内容に関する健康
- 公立総合病院の一般病棟における遺族ケアの現状と看護師の意識
- ホスピスにおける遺族への教育的介入の試み
- 老年期における配偶者との死別後の精神的健康と家族環境
- 家族の死に関連して生じるストレッサー--「二次的ストレッサー」に関する探索的検討
- ターミナル期のコミュニケーション よい関係性を保ち,勇気づけるコミュニケーションのコツと配慮 (特集 保健師活動と「コミュニケーション」)